第10章 9 Melody.
「ハァ……ハァ……今のどうでしたか……っ」
「うん、文句なしって感じだったよ」
「りん、カッコ可愛い」
「あ、ありがとう」
(なんか照れるな)
初めはレッスンの時に教えてもらったダンスを披露。
2回目以降は少しずつ動きに強弱をつけて踊ってみた。
やはりちょっと大胆に動いた方が良かったみたい。
今日の収録はこっちでいこう。
「さん、そろそろ時間です」
(マネージャーだ……!)
「はい……!じゃあ壮五さん、環くん、本当にありがとうございました!」
「うん。収録頑張ってね」
「応援、してっから」
「うんっ!行ってきます!」
気づけばお昼を少し過ぎた頃。
MEZZO”の2人にお礼を言った私は、晴れやかな気持ちでマネージャーの元へと駆けて行く。
でも本当は結構緊張していた。
もし1人で過ごしていたら、緊張に飲まれてガチガチになっていただろう。
「全く、人が休んでろと言ったのにあなたって人は」
「すみません……でもおかげで緊張がどこかへ消え去りました!なんか失敗する気がしません!」
「……そうですか。ですが!移動中はこれらの道具を使って疲れを取ってくださいよ!」
「……ん?!」
(こ、これは……!)