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夜明け

第4章 玉蜻



 青江だけでなく、隣には石切丸もいる。手にはデッキブラシが握られていた。

「これ、歌仙から預かってね。置いといて構わないかい?」
「あぁ、ありがとう。歌仙は?」
「彼は今手が離せないらしくて、頼まれたまでだよ」
「そっか。了解」

 歌仙はこの本丸の初期刀である。ほかの刀剣男士との兼ね合いもあり、忙しいのだろう。

 あらかた脱衣所の掃除が終わると、いよいよ掃除セットを持って大浴場へ。ちなみに刀剣男士たちは内番服に。俺も掃除をするからとラフな格好だ。

「いやぁ…、開けたくねぇなぁ…」
「言っておくけど、穢れだけじゃないからね」
「大和守、見たことあるんだ」
「うん。つい、好奇心で」
「お前は好奇心に殺されるタイプだよな」
「同田貫うるさい。それはお前もだろ」

 荒れた畑を見た時も、「このくらいなら平気だよ」と言ってのけた大和守だ。こんなに嫌がる様子を見ると、不安は煽られるばかりである。

「ま、ぐだぐだ言っててもしゃーないな」
「審神者さん、おっとこまえ~」
「茶化すな。………よし!」

 気合を入れ、いざ。

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