第4章 玉蜻
「インスタントも、食べ続けると飽きるもんなんだな」
「来たばかりの頃は喜んでいましたのに」
こんのすけははぐはぐと、最後の一切れを飲み込んで言った。毎日油揚げを食べているが、そういうこんのすけこそ飽きないのだろうか。
「せっかくだし、料理でもしてみようかな」
「いいと思います。お供え物にもできますしね」
「そうだな…、ここの刀剣男士が食べてくれるかは、うーん……」
「それは無理ですね!鶴丸国永様なんか、手をつけるどころか棄てる姿が想像できます」
「だよなぁ。神様が食べ物を粗末にするとは考えにくいけど、まんま真っ白なわけじゃないし」
そんな話をしながら、タブレットを取りカタログを開く。まずは調理器具かな、とみていると、離れの結界をくぐる気配。
「だれか来た」
認知して間もなく、襖にうつる影。襖を隔てて声を掛けられる。
「いるかい?」
「あぁ、歌仙か」
声の主は歌仙だった。タブレットを机に置き襖を開けた。