• テキストサイズ

夜明け

第2章 幽冥



『干渉しすぎるな』

 頭に響く声。釘をさすような声色に、ふてくされたように返した。

「どうして」
『忘れたわけではあるまい。お前はいずれここを離れる』
「分かってる」

 ここへ呼ばれたのは主としてではない。政府に頼まれ、この本丸を建て直すためだ。家のこともある。建て直しが終われば、ここを離れる身だ。

 ぐだぐだ言っていても仕方ない。

 気持ちを切り替え雑巾を洗う。許可はもらったので、仕上げとばかりに隅々まで掃除を進めていく。最後に浄化作業を行なって終わりだ。

 調理器具や調味料などといった道具が揃っていることからも、料理好きな刀剣男士が元審神者がいたことが窺える。

 食を楽しむことがあったのか、と少しばかり心がほっとした。

/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp