第5章 雨催い
だが、周りの大人はそうはいかなかった。
分家の人間は、本家の人間より力を持つべきではない。
そんな古臭い考えをもつ者が一定数いて、挙句には俺が本家の座に着こうとしているとか、根も葉もない噂が流れ始めた。
理不尽だし、馬鹿だろと思う一方で、その考えがまったく理解できないわけでもない。
神に気に入られる子供など、確かに本家のものからすれば面白くないからだ。
何より、パワーバランスが崩れるのがよくなかった。
そんなことを知らぬ俺は、この頃丁度こいつと出会う。神格が最高位ともいわれるこいつと対話を重ねるうちに、本家や別の分家では俺を殺す計画が密かにたてられていたわけだ。