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夜明け

第5章 雨催い



 翌日、目を覚ますと、どうやら結界はしっかりと役目を果たしていたらしい。だが結界の一歩外は、昨日と同じ気配が漂っていた。黒い足跡。そこから漂う腐敗臭と、瘴気。

「これはまずい」

 恐らく俺を狙っている。そこには怨念が籠っていた。呪いの一種だ。これでは結界を破られるのも時間の問題だろう。

「こんのすけ、」

 こんのすけの名を呼べば、布団から出てきたこんのすけが足跡を見つけ、小さく悲鳴を上げた。

「ひっ、何ですこれは?!」
「多分、呪いだな。未練が形を成して、力を持ち始めてる。歌仙と三日月を呼んできてくれ」
「わ、分かりました!」

 こんのすけは俺からの命を受けると、すぐに離れから駆け出した。
 彼らに確認しなければならないことは大きく二つ。刀剣男士の元へ、これがやって来ているか。この呪いの正体に心当たりがあるか。考えられる可能性としては、元主の怨念。想いが形になったもの。もしくは、刀剣男士の怨念である。
 どちらにしても、早急に手を打たなければならない。最悪の場合、俺の中のものに頼ることも視野に入れておかないといけない。

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