第1章 オトモダチ
そんなこんなで下駄箱まで降りていく。
その間、話が止まる事は無かった。
「ふぅん、じゃ、その近藤って言うgorillaが委員長なのね」
「違うぞ。ゴリラって言う近藤だ。
あと、何だそのムダに良い発音は」
「ああ、私、帰国子女なの」
「そうなのか?!」
「嘘よ」
「俺の驚きを返せ」
「ドラ〇もんでも持って来てちょうだい」
こんな具合に。
「にしても、良く喋るな」
「そうかしら」
「ああ。話したの、今日が初めてだからな。
余計そう感じるのかもな」
「そうね」
「クラスの奴とは喋らねーのか?」
「・・・。話す内容が、無いのよ」
「・・・。」
「あ、門まで来てしまったわね。
じゃあまたね、土方」
「あ、待て」
「何よ」
「送ってく」
「遠慮するわ」
「ダメだ。遅くに女一人で歩かせられねぇよ。
遅くなったのは俺のせいだしな」
「ジェントルマンなのね」
「当たり前の事だ」
「タラシとも言うわ」
「言わねぇよ‼」