第1章 オトモダチ
ハァハァと肩で息をする土方。
それに構う事なく銀八は口を開いた。
「で、どうなんだ?真侑の学校での様子は」
「あー、静かだな。
俺も最近話すようになったしな・・・」
「そうか」
サンキュな、と呟くと銀八は教室を出ていった。
その表情は土方の位置からは見えなかった。
「高杉は、二階堂とよく話すのか?」
二人きりだと、やけに声がうるさく感じる。
「あんまりだな」
「そうか・・・中学とかは?」
「別人だったな」
「別人?」
「あぁ。今と真逆だったぜ、アイツ」
「真逆・・・」
想像もつかねぇ。
土方は黙った。
頭をフル回転させるが、全く想像できない。
それほど、なのである。クラスに置ける二階堂の今の立ち位置は。
「アイツが、ああなっちまったのァ・・・」
高杉は一呼吸置いて続けた。
「俺のせいかも知れねぇな」