第1章 オトモダチ
「あぢィィィ‼」
「近藤さん、うるせェ」
「だってよートシ、暑ィモンは暑ィんだよー」
あれからすぐに着替え、委員会室に来た。
部室にいるより、委員会室の方が涼しいからだ。
まぁ、それでも暑いのだが。
「ところでトシ」
「何だ」
「二階堂さんとはどうなんだ?」
「どうなんだって・・・なにがだ?」
「またまた~惚けないで下せぇ」
「はぁ?」
「二階堂の家まで行ったらしいじゃないですかィ」
「誰だ、んな事言った奴ァ」
「名前は知りやしませんがね、最近、そう言い回ってる女がいるんでさァ」
「何?!」
「で、トシ、どうなんだ?」
「別になんともねぇよ
委員会の説明をして、遅くなったから送っただけだ」
「本当ですかィ?」
「んなとこで嘘付いてどーすんだよ」
「ま、それもそうですねィ」
その時、ピロロロ・・・と土方の携帯が鳴った。
「誰だ・・・?」
「もしもし」
「あ、もしもし、私よ、二階堂」
「ああ、二階堂か
よく俺の番号知ってたな」
「友達に教えて貰ったのよ
で、用件はね、今日は委員会行けないと言うことよ」
「そうか」
「大丈夫かしら?」
「ああ」
「重要な事は、今度聞くわ
ごめんなさいね、ドタキャンしてしまって」
「いや、別に平気だ
じゃあな」
「ええ、またね」
プツンと音をたてて切れる携帯。
「誰からだったんだ?」
「二階堂からだ
今日は来れねーってよ」
あからさまにがっかりする委員達。
「そんなに二階堂に来てほしかったのか?」
「だってふくちょ・・・副委員長、ただひとりの女子生徒ですよ?!しかも美人‼会いたいじゃないですか‼」
そーだそーだとうるさくなってきた。
「だーもううるせぇ‼静かにしやがれ‼」
「トシはいいよなー、電話番号知ってるし」
「近藤さん‼」
何だと?!自分だけよければいいのか?!ズルい‼鬼‼悪魔‼マヨラー‼ラー油‼湯豆腐‼
「黙れ‼取り敢えず‼あと、途中からしりとりになってんじゃねーか‼」
土方がそう叫んだとき、ガラガラと扉の開く音が聞こえた。
「ギャーギャーギャーギャーやかましーんだよ
発情期ですかコノヤロー」