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脳漿奇譚  【魔人探偵脳噛ネウロ】

第3章 【苦】―こみかるらいふ―


「さぁ、大まかな地上の知識はおさらいした。
アヤセよ。今日はどんな味を見せてくれるのだ?」


「あいにくだけど、カフェは午後からの開店。それまでは買い出しや軽い仕込み、それと」


そう言いながら私は教科書を出して見せる

「なんだ、それは?」

「お店をさせてもらってはいるけど、このままお店をやるにしても何にしても私も学と知識を身に付けないといけないから」


高校を卒業して間もなくお店を始めた私は、正直このままでいいのか焦りを感じていた。


喫茶店をずっとやるとしても、経営学や経済学は必要だ。


予備校通って大学に、っていうのは今現在では無理。


だからせめて手近で手に入る知識を本屋さんや図書館で調達している。



「ほぉ・・単なるお気楽単細胞の割に本が多いと思っていたが、そういう事か」



褒められてる・・・・・・・のか?それは。



「いいだろう、我が輩、貴様の手伝いをしてやろう」

「え、何してくれるの?」

「知識の吸収を66倍にはね上げる魔界の薬をプレゼントしてやろう」

「だ・・大丈夫なの?副作用とか?」

「副作用ならあるぞ。吸収したと同じ量の記憶と体毛を失う」

「・・・遠慮しておきます!」
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