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脳漿奇譚  【魔人探偵脳噛ネウロ】

第3章 【苦】―こみかるらいふ―


「ふむ・・大まかな歴史の流れとヒトの進歩はさして変わらず。
歴史上の人物にはもう一つの地上と同一人物と見られる者も存在、か。」


両の目はもちろん、髪の先や指の先にも目玉を出現させ
恐ろしい速度で本やPCを繰って行く


ここの地上の知識を身に着けているんだろう



ようやくありつけた朝食を頬張りながらそれを横目に見る私。


爪ツメ五月蠅い魔界の虫は、ステンレスのボウルをかぶせて閉じ込めたら案外おとなしくなった。


「ネウロってさ、食事は一日3回じゃないんだね」

「アヤセ、人間と同じ尺度で測られては困るな。喰った謎が大きいと、それだけ何日も喰わずに済む。一度喰ったら永遠に満たされる謎もあるそうだが・・・どんな美味なのか喰ってみたいものだ」


「謎って、どんな味がするの?」


「ム、それは貴様らに『食べ物とはどんな味がするのか』と聞くのと同じことだ。
その謎によって味の種類や繊細さが全く違う」


「じゃあ、嫌いな味もあるんだ?」


「我が輩は謎に関しては今の所好き嫌いはない。が」


唐突に頬同士をぴたりとくっつけられる


「人間でいう『香辛料』の好みならある。アヤセ、お前のその瘴気が我が輩にとってそうだ」


頬を離し、フォークを私の頬にそっと刺す

「貴様自体が謎だったら、さぞ美味だろうな」


苦笑しフォークを取り返す


「もう、やめてよー・・ってうあぁっ!?何!?」

フォークの先が綺麗な4つ編みになっている



子供のような笑い声をあげながら、知識の吸収に戻るネウロ

これ使ってどーやって食べろと言うのか・・・
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