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脳漿奇譚  【魔人探偵脳噛ネウロ】

第3章 【苦】―こみかるらいふ―


「・・・起きたか、ゾウリムシ」



夢から覚めた私の目に超アップで魔人が移り込む


そうだった・・・昨日色々あって・・・コイツが住む、いや棲む事になったんだっけ



って



寝起きをこんな間近で見られるなんて。


よく思い出せば昨日は添い寝してたんだっけ



「貴様はカブトムシの幼虫の寝起きを見て、どう思う?」




「どうって。別にどうも思わな・・ってそれ私の事でしょ!?」



いくら向こうがそう思おうとも、一応は年頃の女の子なので。



「アヤセ、早速やってほしい事がある」

「待ってよ・・こっちは寝起きなんだから・・」

「我が輩が居た地上と、並行世界のこの地上にどこまで差異があるのか知りたい」

「わかんないよそんなの・・低血圧は朝が辛いんだから」



「ふむ、ではこうして血流を頭に集めてみよう」

両の足の親指だけを摘まれ、逆さに宙づりにされる


「ぎゃああああ指!指抜けるって!」


「どうだ、目が覚めたろう」

そのまま手を離され私は頭から床におはようのご挨拶。


「貴様の家中の本や資料、パソコンを出せ。我が輩はこの地上の事をもっと知りたい。全部1階のカフェテーブルへ持って来い」


そう言いながら一階へ下りてゆくネウロ



その後ろ姿から見えた髪の先についた三角形のアクセサリー。


今さっき、どこかで見た気がした。でも、なんだかよく思い出せない



ん?



視界になにかヘンなものが移る。
手みたいな形のグロテスクな・・・生き物??


階段を下りかけたネウロが顔だけこちらを向き、言い放つ。

「そうだ、忘れていた。そこにいるのは魔界の虫の一種だ。1秒以上動きを止めると餌と見なし、対象のツメを喰うぞ」



「ツメ・・爪・・」と呟きながら憑いて回るそれに怯えながら私はネウロの言う通りの物を一階に運んだ
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