• テキストサイズ

短編集【庭球】

第67章 星を数えて〔財前光〕


「聞かれたら自慢したりますわ。彼女から貰ってん、て」


先輩はぱちりと目を瞬かせて「小春ちゃんは目ざとく聞いてきそうやな」なんて言いながら、とても嬉しそうに笑った。
鼻唄でも歌い出しそうな表情を見ていると、どちらが誕生日を祝われているのかわからなくなりそうだ。


「なあ、私ら、今同い年やねんな」
「ああ、そっすね」
「なんか嬉しいわ」


秋、先輩の誕生日を迎える頃には、全国制覇という願いも叶えておかなければ。
そのときにはこのピアスの意味を明かしてもいいかもしれない。
しばらくは、頑張るのはテニスだけにしておこうか。

珍しく先輩から繋いできた手を、離れないようにとそっと握りしめる。
重なった唇に、小さく「俺もっすわ」と告げた。


fin






◎あとがき

お読みいただき、ありがとうございました。
更新がかなり止まってしまい、申し訳ありません…

財前のピアスが願かけだったらいいなと思いついたのが最初で、誕生日はあとから気がついて盛り込みました(酷)
財前くんおめでとう!

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
/ 538ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp