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短編集【庭球】

第41章 All of me〔仁王雅治〕*


俺をソファに座らせて、薄く笑いながらそう呟いた渚が、脚の間にひざまずいた。
痛いくらいに張り詰めたそれに彼女の赤い舌が何度も行き来すると、我慢に我慢を重ねていた下半身は、もうすぐにでも達する準備ができてしまう。
男としてそれだけは避けたかったけれど、ぱくりと俺を咥え込んだ刺激的なビジュアルも相まって、気づいたときにはもう手遅れで。
俺はあたたかい口の中に精を吐き出していた。


「…すまん」
「ふふ、すごい、いっぱい」


こくん、と嚥下した喉を見たら、たった今興奮を収めたはずのそれが、またあっという間に硬さを取り戻した。
いや、萎える暇もなくずっと勃ち上がったままだったというのが正しいような気もする。

普段ガードの固い渚は、外ではいくらちょっかいをかけても絶対に不埒な言葉を口にしないくせに、部屋で二人きりになると、こうやって俺をその気にさせて煽るのが本当に上手くて。
それはとても嬉しい反面、経験に裏打ちされているのだろうと思うと、どうしようもない焦燥感に苛まれるのもまた事実。


「雅治の、大きい」


…誰と比べちょるん?

その言葉を飲み込んで、体勢を変える。
彼女の腰を引っ掴んで、ソファに寝転がった俺の顔の上へと持ってきた。

「やだ、恥ずかしいんだけど」と言った声が半分笑っていたから、こうなることを期待していたのだろうと勝手に解釈する。
パンスト越しにも滴ってきそうなほどとろけきっている泉に、わざと音を立てて吸いついた。
一度達しているから敏感なのだろう、ぷっくりと膨れた花芯を見つけて舌で転がせば、声にならない声が震える。

グレーの霞がかかったような尻を撫で回しながら「やっぱお漏らししちょる」とからかったら、渚は「そんなこと…ない、もん」と途切れ途切れに言って、屹立した俺自身を再び愛撫し始めた。
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