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短編集【庭球】

第38章 人はそれを恋と呼ぶ〔桃城武〕


「渚にそうやって思われてるヤツのこと、すげーうらやましい」
「………」
「今更だけど俺、ずっと渚のこと好きだった。今気づいた」


吐き出した息が熱い。
まさかこんな形で想いが通じるなんて、思ってもみなかった。


「悪りい、好きなヤツいるって聞いたばっかなのに」
「もう…ほんとバカ」
「そうだよな、困っちまうよな」
「バカ、違う! 私が好きなのは桃だって言ってるの!」
「っ?!」
「聞こえなかった? もう言わないから」
「いやいやいや、もっかい! もっかい頼む!」



桃が病気でないことを確信したのは十分後、初めてのキスをした直後のことだった。


fin





◎あとがき

お読みいただき、ありがとうございました!
初桃、いかがでしたか?
以前「桃が読みたい」と言っていただいたことがありまして、そのときは正直まったく桃夢なんて書ける気がしなかったのですが、ふと思いついたネタを書き進めていった結果、なんとか形にすることができました。
最初からかなりシモな話をぶっこんでしまいまして…すみません、でも後悔はしていません笑
ピュアボーイの桃は絶対、好きな子以外とはできないと思うのです…。
もちろん私の願望ですけれども!

私の変態加減が丸出しのお話になってしまいましたが、少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。
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