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短編集【庭球】

第27章 片想いラプソディ〔宍戸亮〕


まだ開いていないカフェオレの缶を握りしめる両手は、爪先も関節も白くなるくらいに力が込められていて。
耳まで真っ赤にして、少し震えてて。

それが意味するのは、俺に都合のいい結末。
でもすぐには信じられなくて、言葉の意味をもう一度考えたけど、やっぱり結果は変わらなくて。

ああ、きっと今、こいつと同じくらい俺の顔も赤いんだろう。


「…その台詞、そのまま返すぜ」
「へ?」
「俺もずっと好きだったっつの。いい加減気づけよな」


* *


次の日。
ジローに「やっとくっついたのー? どっから見ても両想いなのにさ、進展遅いC〜」とひとしきり笑われて、前日少しでも同情したことを後悔したのは秘密だ。


fin






◎あとがき

お読みくださいまして、ありがとうございました!

なんと予告外の、しかも初の、宍戸夢。
絵に描いたような両片想いのシチュエーションってすごく宍戸っぽいぞ、と思って書き始めたのに、途中何度も宍戸っぽくならない! と嘆き、最終的には勢いで完結させてしまいました…いかがでしたか。

久しぶりの男の子視点。
やっぱり苦手です…またしばらくは書かないんだろうなと思います。笑

立海と四天ばっかり書いてる気がしてたので、ちょうどよかったかな?

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
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