第5章 きみへ
コンビニから出ると、俺はそこで信じれない光景を目にすることになる。
「さて、次はどこへ行こうか?」
「………百夜といっしょならどこでもいいです。」
頬を紅く染めた伊月と知らない男が腕を組んでいるという光景だ。しかも二人は真っ直ぐある建物へと入っていく。
「………………………………」
俺は一瞬頭が真っ白になったが、伊月を追ってその建物の中へと入って行った。
中に入ると、どうやら会社のようだ。CMでもよくやっている有名な会社だ。
伊月の姿を探すが、見つけられなかった。
「…………あーすまねぇ。ここにこの女の子が入ってこなかったか?」
警察手帳と伊月の写真を見せながら、俺は受付の人に聞いた。
「け、警察!?………あ、その子なら社長と一緒に入っていかれましたが………?あの………その子がなにか……?」
不安そうなその子。
「あぁ。その社長にちと用があってな。呼び出してもらえねぇか。」
二、三発殴らねぇと気がすまねぇ!!俺の顔を見て慌てて電話するその子は二、三言話すと、
「あ、あの……お名前を聞かせていただいてもよろしいでしょうか……?」
「………後藤だ」
「……お入りください。社長は75階にいらっしゃいます」
…………上等だ!!!!!!