第5章 きみへ
伊月と言葉を交わさなくなり3日が経った。そしてとうとう弁当も作ってもらえなくなり、俺は近くのコンビニで昼飯を買いにとぼとぼと歩いていた。
「珍しいですね。後藤先輩がコンビニ弁当なん………ゲボッ!?」
視界の端で池田が課長からみぞおち攻撃をくらった。
「…………後藤。お前の気持ちはよーーく分かるぞ。」
「……………はい。」
先に買った課長が池田の襟を引っ張って帰る。
「ちょっ、僕まだ買ってませんて!?課長ーーー!!!」
「お前は俺の愚痴に付き合えや」
涙ぐむ課長と悲痛の叫びをあげる池田を一瞥し、俺は焼肉弁当を手に取る。
「あー、後藤さん。さすがに共食いは醜いとおもいますよ。」
ふと伊月の言葉が頭をよぎり、俺は焼肉弁当を置き、アンパンを手に取った。
「………………はぁ」