第5章 きみへ
☆☆~伊月side~☆☆
気がついた時私は奴隷として生きていた。右も左も分からない。自分が何者なのかさえ分からない。ただ何かに怯える毎日。
そんな私を救ってくれた人がいた。だけどその人から離され、私はある施設に入れられた。そこは異形な者達を研究する施設だった。
そこで私はいろいろなことをやらされた。頭をいじられたり、拷問をうけたり、そこで出来た仲間たちと戦わされたり。周りのものたちは正気を失っていったけど私は持ちこたえていた。大切な人の助けを信じていたから。
助けは来た。嬉しかった。少し大人びたような顔のその人を見ることが出来て。私は笑った。その人は笑わなかった。私の足元に転がるおびただしい数の死体を見て。