第3章 事件解決後のドタ☆バタ
「く・・・・くそっ!」
後藤は自宅の玄関でかなり落ち込んだ様子だ。その理由として言えるのは、あの悲惨なお姫様抱っこをこのアパートの住民に見られたということか。
「あぁぁぁーーー!!!」
「はいはい。今日は早くベットに行きますよ。ほら。」
伊月のほうはそんなこと気にもとめてない様子だ。そのまま後藤をベットまで連れていく。
「あっ・・・と。後藤さん、足痛みますか?」
ふと思い出したように後藤に聞く伊月。
「・・・・あ?・・あー、まぁ少し痛むくらいだな」
「では、鎮痛剤使った方がいいですね。では後藤さん。はい。」
伊月は先程もらった薬を取り出して、後藤に渡す。
「おう。伊月、すまんが水を持ってきてくれねぇか?」
「・・・・・は?」
伊月が怪訝そうな顔をする。
「え?」
伊月のその様子にきょとんとする後藤
「それは、飲む薬じゃなくて、お尻に入れる薬なんですよ・・・・話聞いてなかったんですか?」
呆れた表情をする伊月。
「は?俺そんな薬したことねぇぞ!?なんで飲む方を出してくれなかったんだよ!!」
「貴方がお医者さんの話を聞かず、ずっと頷いていたからでしょう?・・・はぁ」
そう。後藤は病院で検査を受けている間、仕事が当分は事務作業だということにずっとショックを受けていて、何を言われても上の空だったのだ。
「では、私ちょっと買い物に行ってきますから。その間に入れてて下さいね。」
そう言うと伊月は、靴を履いて出ていってしまった。