第3章 事件解決後のドタ☆バタ
「・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はあ・・・・・生きてる・・・」
げっそりとした顔で後藤は呟く。タクシーは既にと後藤たちが住んでるアパートの前で止まっている。
「大袈裟なんですよ。後藤さんは。」
伊月が呆れた顔でいう。
「はぁ!?大袈裟もなにもお前が運転席に座ったら殆ど前なんて見えねぇだろうが!!それでよく事故らなかったな!!」
「運転なんて見えなくても大体分かりますので。」
そう言いながら、伊月は後ろの席に戻る。
「運転車さーん?運転車さーん!」
そして、気絶しているタクシーの運転車を揺する。そして、ぼーとしている運転車にお金を渡し、後藤をタクシーから降ろした。
「ほら、足元気をつけてくださいね。」
「分かってるって・・・・うおっ!!」
早速階段で転びそうになる後藤。伊月はため息をついて、
「ちょっと待ってて下さいね」
と、後藤の体を支えている松葉杖を後藤の手から奪い、荷物を持って、先に上がってしまった。
「なっ!!おい!!」
置いてきぼりをくらったと慌てる後藤。しかし、伊月はすぐに戻ってきた。
「最初からこうすればよかった。」
と伊月が言うのを聞くと、後藤の体は持ち上げられた。
「なっ!ちょっ、おま!!なにして・・・」
「何って・・・・本日2度目のお姫様抱っこですよ?お・ひ・め・さ・ま」
ニヤッと意地悪そうに微笑む伊月。後藤は恥ずかしさのあまり暴れようとするが、ここが階段なのを思い出し、
(頼む!!誰も来るんじゃねぇぞ!!)
と強く思った。