第2章 トンネルの向こう
「…湯婆婆様。」
「おや?連れて来たのかい。」
「はい。」
「ハク、あんたはもう下がっていいよ。
また後で呼ぶからすぐにおいで。」
「………」
ハクと呼ばれるオカッパ頭の青年は軽く会釈をすると部屋を出た
暖炉の灯りが怪しく部屋を照らす
悪趣味な大振りの宝石や高価なそうな置き物で飾られたこの部屋、おそらく湯婆婆というこの頭の大きなお婆さんの部屋なのだろう
横たわるに目を細めて何か企むように笑みを浮かべる
「…待っていたよ。
、特別な子………」
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一方、湯婆婆の部屋を後にしたハクは一人 夜が明け始めた薄明るい空を眺めていた
湯婆婆はいったい何を企んでいるのだろうか…
自分の都合の良い事ばかりに頭を働かせるあの魔女の事だ、どうせくだらない事に決まっている
軽くため息をつき、ハクは気を失っていた先程の少女を哀れに思った
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しばらく経ち、湯婆婆の使いである湯バードがハクの元へ飛んで来る
きっと部屋へ来いと伝えに来たのだろう
それを合図にハクはまた湯婆婆の元へと向かった