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甘い甘い君が好き【HQ】

第9章 再び





『しょ、翔陽…、死ぬかと思った…』



あれからというと翔陽の後ろに跨った私だったのだが…


下手に動くと吹っ飛ばされそうだったから必死に落ちない様に耐えていた。



「大丈夫か!?…そんなに早かった!?」



『ま、まぁ…でも大丈夫!』



内心はそんなこともない…結構寿命が縮んだ気がした。気がしただけだし、ここでどうこう言っても意味はない。

ただ、これからは気を付けないと…



「よーし、ほい!」



指定された場所へと自転車を止めると、翔陽は直ぐに立ち上がり手を差し伸べてきた。



『ん…?』



「行くぞ!早く打ちたいしな!!」



『はいはい』



相変わらずバレー好きだなぁ、なんて思いながら翔陽の手を握る。
その手はとても暖かくて何故か落ち着いた。



「よっしゃー!」



そのまま手を握った状態で翔陽と共に体育館へと向い始めた。



ただバレーがしたいせいなのか若干早歩きになっているように感じる。でも今日は私がいるからきっとこれでもスピードを落としてくれているはず…


翔陽は一体いつもどのくらいのスピードで歩いてるのだろうか



『あ、ちょっと先に体育館入っておいて!」


「え、でも」


『いいの、いいの!』


「…わかった、直ぐに来いよ!」


『うん!ありがと』



翔陽は先に体育館の中へと入っていった。


何かを忘れてるような気がしてならなかった。
でも何を忘れているのか、それが思い出せない。



『ぁ…れ、…ッ』



急に力が入らなくなりその場に崩れ落ちた。


あれ……そういえば今日は薬まだ飲んでなかったっけ?


確か鞄に薬が入っているはず


考えより先に段々熱くなっていく身体。


急いで鞄へと手を伸ばして薬を探す。



『あっ…た、』



手に当たったのは恐らく薬だろう。



取ろうと手に力を入れたがその手を誰かに掴まれた。



「薬飲まないでって言ったよね…?」



なんでいつもヒートになってる時に現れるの…





月島くん__




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