第9章 再び
『ごめんね、ちょっと用事できちゃって…」
「いや、俺もごめん。昨日にボールぶつけたし…大丈夫だった?」
『全然大丈夫だよー』
まぁ確かにあれはびっくりしたけど、昨日までヒリヒリと痛かった顔は特に痛みを感じなかった。
それについていったのは私だし、もっと周りを見ておけば当たらなかったかもだし…
「うわっ!もうこんな時間だ、行くぞ!」
『え!?いや待って待って、まだ6時過ぎだよ!?』
「いいから早く…!」
『わ、わかった!鞄取って用意してくるね!』
翔陽の家って私の家からほんの少し離れてるよね…
一体何時に家を出たんだろう。
今日早く起きてて良かった〜と呑気なことを考えるが、翔陽が急いでいるのことを思い出す。
食べ終わったご飯のお皿を片付けて、私は再び自分の部屋へと向かった。
『お待たせ!』
「ほら後ろ後ろ!」
後ろ?あぁそっか、翔陽は自転車なんだっけ
『え、私も乗るの!?』
「当たり前だろー!早く早く」
そう言い翔陽は私の手を引いて後ろに乗せる。
「おーし、じゃあいくぞ!!」
『ちょっと待ってゆっくりね…って早い早い!待って待ってえええ!』
予想以上に自転車をこぐスピードが早い翔陽。
本当に私ちゃんと乗れてるの?
そう思ってしまうくらい自転車に2人乗っているとは思えない程の早さで自転車は進んでいく。
そのままスピードは落ちることなく、徐々に学校へと距離を縮めていった。