第9章 再び
『ぅ……ん、』
一体どれくらい寝たのだろう
瞼を開けて時計を見ようと思ったけど、まだ少し眠いせいか瞼が重くて開こうとしない。
お母さんはもう出て行ったかな、なんてことを考えながらゆっくりと脳を起こしていく。
数分後にようやく瞼が開き時計を見るが、今日はいつもより少し早めに目が覚めたみたいだった。
まだ少し残る眠気を抑えながら気だるい身体を起こし階段を降りる。
キッチンを覗いてみると、お母さんはもういなかった。
相変わらず早いな…。何時に起きてるんだろう。
洗面所へと行き顔を洗えばさっきまで残っていた眠気が一気に覚めた。
キッチンへと戻り机を見るとお母さんが作ってくれたご飯が置いてある。その横にはお弁当までちゃんと作って置いている。
こんな朝早くに作ってくれてありがとう
そう思いながら置いてあるご飯へと箸を伸ばした。
淡々と食べて準備をしていると、ピンポーンとあまり家ではなることのないインターホンの音が鳴り響く。
こんな朝早くから一体誰だろう…。
私の家知ってる友達なんてまだあまりいないし…
近所の人?それとも不審者だったり…?
いやいやいや、流石にそれはないか
『はーい!』
近所に迷惑がかからない程度に返事をし、扉を開けてみればそこには翔陽が立っていた。