• テキストサイズ

甘い甘い君が好き【HQ】

第9章 再び





どれくらい経っただろう、私が思っている以上に時間は進んではいないだろう。



ただ、さっきと同じで苦しくなってきたのは事実だ。



そう考えていれば、これもさっきと同じ。



彼の舌が私の口を優しく割って、口内で暴れまわる。




『ん…っ、』




もちろんこの行為が慣れるわけなんてない。



何度やっても慣れない。


息の仕方なんてわからない。




それでも彼は私の後頭部を押さえつけて舌を絡めてくる。





「ん…で、他は?」





彼と重なっていた唇がゆっくりと離されたかと思えば、質問が飛んでくる。




『ほ、他はされてないよ』




答えた通り、特に月島くんに他のことはされていない。




「ほんとにか?」




真剣な顔でそう聞いてくる彼。



そこまで大事なことなのだろうか…




『ほんとだよ』




私は彼の目を見てそう答えた。



影山くんも嘘ではないと思ったのか




「そうか、俺は戻るけど天野はどうする?」




それ以上のことは聞いてこなかった。




『私は、帰るよ。翔陽に伝えておいてくれないかな?用事が出来たって…』




正直戻ろうという気にはなれなかった。


戻ったところで私は何を出来る?


無駄に意識してしまってまた皆に迷惑をかけてしまうかもしれない。なら帰った方がマシだ…




「わかった、気をつけろよ。」





『うん…ありがとう!』




影山くんに頭をポンポンと撫でられた私は笑ってそう答えた。




私はそのまま保健室を出て行った。





「何やってんだ…俺は」





彼の言葉なんて、私には届かない。



/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp