第9章 再び
月島くんと唇が重なってから何秒経っただろう。
月島くんはなかなか唇を離してくれない。
離れようにも手首の自由を奪われているせいで上手く抵抗が出来ない。
やばい、私も息がそろそろ限界になってきて。
『つ、月島く、ん!!』
酸素を求めて口を開けるが、それはかえって自殺行為になってしまう。
彼の舌がそっと口内へと入り込んでくる。
まただ、あの時と同じ。
場所は違うけれど、あの時と同じ″感覚″
静かな保健室に鳴り響く水音。
それは嫌でも耳に入る。
『つきし、まく…』
ようやく離してくれたかと思うと、息が上がった私に比べて余裕な様子の彼。
「君がその気にさせたんだからさ、責任取ってよね」
『やっ…』
必死に抵抗しようとするがそれも虚しく、体に上手く力が入らない。
もう駄目…そう思った時
「おい、何やってんだよ。」
あぁ…この声は___