第7章 それぞれの気持ち
【気になるあいつ】SIDE Kageyama Tobio
歯止めの効かなくなった俺の身体は、いつの間にか彼女の唇に触れようとしていた。
あともう少し、その時にあいつが来たんだ
そいつは、いきなり部屋に入ってきたかと思うと、俺を彼女から引きはがして、俺が持っていた薬を取り、彼女に渡していた。
いつの間に取ったんだ。
そう思ったときには、薬は彼女の口の中へと向かっていた。
彼女がその薬を含んだ瞬間________
さっきまで匂っていた甘い匂いは、さっと消え去っていた。
俺の歯止めが利かなくなった身体も、こみ上げてくる欲望も、消え去った。
良かったのか、良くなったのか、よくわかんねぇ
変な気分なのには変わりねぇだろう
それにしても、日向のやつ……
こいつのことを知っているのか?
さっき名前で呼んでるのが聞こえたし……