第2章 後編
しばらくして、顔を洗ってさっぱりしたトランクスが戻ってきた。
そして、うずくまるユメを見つけた。
「ユメ?」
「……ごめんなさい」
「え?」
「せっかく会えたのに……。トランクス、怒ってる?」
「……」
トランクスは無言でユメの前に片膝をつく。そして、
「機嫌、直った?」
ユメの顔を見て優しく笑った。
それを見た途端、ユメの顔がくしゃりと歪む。
「……寂しかったの。ずっと」
「うん」
「女装の話も、パンちゃんに聞いたとき……私の知らないトランクスだって、思って……」
「あー……」
トランクスはまた少し顔を赤くした後、ユメの頭を優しく撫でた。
「怒ってないよ。……オレこそ、長い間寂しい思いさせてごめん」
そしてそのまま強く抱きしめてくれた。
……とても久し振りな、トランクスの温もり。
涙がポロポロとこぼれてくる。
「ずっと、心配だったの。宇宙なんて……もしかしたら、もう会えないんじゃないか……って」
長い間溜まっていた不安を吐き出していくユメ。
「ごめん……」
そして、その言葉を優しく受けとめてくれるトランクス。
「すごく、すごく、寂しかったの……っ」
「うん……」
トランクスは自分の腕の中でしゃくり上げるユメが、たまらなく愛しかった。
ユメは安心感でだんだんと落着きを取り戻していった。
「もしかしたら、宇宙で新しい彼女作っちゃうんじゃないかって考えたこともあったし」
「……それは無いなぁ」
「だから、私も浮気してやる! とか思ってた」
「え!?」
ユメの問題発言に、トランクスはぱっと腕を緩め涙目で睨んでくるユメを見つめ返した。
ユメは、トランクスのその慌てた顏にぷっと吹き出す。
漸く本当の笑顔を見せたユメ。
「嘘。寂しかったけど、トランクスのことしか考えられなかったから」