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【DBGTトラ】逢いたくて

第2章 後編



 はぁ……と安堵の溜息を吐いたトランクスは、もう一度ユメを抱きしめる。


「オレだって。急な出発になっちゃったから、ユメが待っていてくれるかどうか、ずっと不安だった」

「ホントに?」

「ホント。だからこうやってまたユメに触れることが出来て、すごく嬉しいんだ」

「私も、嬉しい」


 ユメは笑顔で自分の腕をトランクスの背中に回す。


「もう、こんな寂しいの、嫌だからね」

「うん。オレもだよ……」


 そして、しばらくそのまま抱き締め合う二人。


 トクトク……と、お互いの心臓の音がとても心地いい。


 ――と、


「ねぇ、ユメ……」

「何?」

「今日、帰り遅くなっても平気?」

「え?」


 降ってきた真剣な声に顔を上げると、トランクスの澄んだ青い瞳とぶつかった。


「ユメに、もっと触れたい。……ダメかな」

「え……ぁ」


 その言葉の意味がわかって、ユメは赤くなった顔でボソボソと答える。


「……うん。平気」


 すると、トランクスは嬉しそうに笑ってユメを更に強く抱きしめた。


「好きだよ。ユメ」

「うん。私も……好き」


 近付いてきた青い瞳に、ユメは目を閉じる。


 ……ふたりの唇が触れ合う、寸前。


「トレランスちゃーーん!! もう女装取っちゃったーー!?」


 ドアの向こうから聞こえてきたのは、パンの大声だった。

 一緒にブラの笑い声も聞こえてくる。

 トランクスはユメを抱きしめたまま、がくーと頭を垂れた。

 そして、キっとドアの方を振り返り負けじと大声で叫ぶ。


「パンちゃん! ユメにその事喋っただろー!」

「えぇ? だってユメお姉ちゃんは彼女なんだし、いいじゃなーい! ……面白いし」


 そこでまた女の子二人の笑い声が上がる。


「~~っ、ったく、もう他の人には言わないでくれよ! 悟飯さんとか特に!」

「えー? パパぁ? “僕も見てみたいなぁ”って言ってたよー。悟天おじさんは大爆笑だったし」

「っだぁーーーーーー!!」


 また真っ赤になって悶絶するトランクスを見て、ついユメも笑ってしまった。



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