第1章 伝説の始まり
放たれた霊力は炎の様に尾を引きながら真っ直ぐに的に向かい、的を跡形もなく破壊し、後ろの壁に穴を開けた。
「な、なんだあれ」
ザワザワと見学していた生徒達が騒ぎ出す。
「なんて威力だ…」
「か、変わった撃ち方をするんだね。」
「キチンと構えて撃つと、この学校壊しちゃうからって。教えて下さった先生が…」
卯ノ花さんと特訓をしたおかげで私の霊力は格段に強くなった、元々霊力はあったが1度に解放する霊力量のその調整が下手くそだったのだが、今では新人の隊士達と張り合える程の軌道を扱えるようになった。
しかし、経験が無いためか弊害としてキチンとした形で撃つと自分が想定している以上の威力が出てしまうことが分かり、卯ノ花さんの提案で少し変わった撃ち方になってしまった。
「なんですって!?」
「これよりさらに威力があがるのか!?」
「あの…次は…。」
テストでは3つの軌道を試すと聞いていたから、できる出来ないは別として一応知識として九十番台までの詠唱は覚えているが、次はなんだろう…。
「何を言っている、合格だ!!」
「え?」
「あの威力の軌道を制御できる上、まだ威力が上がるとは恐れ入った!!」
正直、出来てるかは微妙なところだけど……。
「そうですね、筆記試験も満点ですし問題無いですね。クラスは特進でよろしいですか?」
え、あのテスト満点だったの?
「あぁ、問題ないね。早速明日から授業に…」
「え。あ、明日からですか…。」
「なるべく早くとのお話だったので、もう寮の方の用意も出来てます。」
「今日から寮に入ってもらおうか。その方が…」