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BLEACH *伝説の死神*

第1章 伝説の始まり



学院への編入試験当日。

「落ちたら僕ら'治癒特化型'の四番隊の名前に傷が着きますので、気を引き締めてくださいね?」

「せ、精一杯頑張ってまいります。」

「安心なさい、私より厳しい先生なんてこの世に存在しませんから。」

なんて清之介の脅しに顔を引きつらせていると、笑って卯ノ花さんは見送ってくれた。

統学院の編入試験は筆記と実技の二種類ある。

筆記の内容は主にこちらの世界の常識と読書そろばん程度だった。

筆記は清之介がぶつくさ言いつつ、丁寧に教えてくれたおかげであっという間に終わった。

筆を置き、「終わりました」と試験官の人に伝える。

「え、もうですか!?まだ、半刻も経っていませんが…」

「見直しも全て終えたので大丈夫です。」

「そ、そうですか…。で、ではこちらに。」

試験官の人は私の試験用紙を見て怪訝な顔をした。

実技のテストは数人の試験官の立会いの下、中庭のような場所に的を置いて行われる。

お昼時の為か、見物に来ている生徒もちらほら見えた。

「これより編入試験、実技を行う。先ず、あの的に向け破道の三十一番を打ってみてください。」

「…はい。」

私は一呼吸置いて右手を前にかざし目を閉じた。

「ねぇ、あれって…」

「ん?あぁ、編入生だろ?この時期にめずらしく。」

「大したことないって、どうせどっかのお嬢様とかだろ。」

「なにあの構え〜。変なのー。」

遠くからクスクスとそんな声が聞こえる。

昔の私ならさほど気にも止めなかっただろうが、今の私の評価は多かれ少なかれ卯ノ花さんの評価に値する。

つまり、あの『大したことない』は卯ノ花さんへの評価に等しいわけで…

「…気に入らない。」

私はポツリとそうつぶやくと、詠唱を始めた。

「君臨者よ

血肉の仮面、万象、羽搏き、ヒトの名を冠す者よ

焦熱と騒乱

海隔て逆巻き南へと歩を進めよ

破道の三十一 赤火砲。」


詠唱を終え、ピンと張った糸を切るように霊力を開放した。
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