第1章 新人ですが、がんばります!
「はい。ここが社長室だよ。んじゃあ、僕は仕事があるから帰るね〜♪バイバーイ。また会おうね!!」
「ありがとうございました!!」
「あれ〜?夢花ちゃんよね?こんにちは〜♪」
「こ、こんにちは・・・。森咲夢花です・・・。」
「あらま〜、貴方だったのね〜♪よろしく〜♪」
そう話しかけてきたのは、女口調で喋る男の人だった。
そういう人を世間ではオネエと言うらしいのだ。様々なことに寛容になってきた世の中だと思う。
「ほら、コーヒー飲めるかしら?もし、良かったら座って〜。」
「ありがとうございます。」
「丁度、美味しいコーヒー豆仕入れてきたのよねー。ほら、出来たわ〜。召し上がれ〜♪」
「では、いただきます。」
「あら、律儀な子ね〜。感心だわ〜。」
「私、スカーレットプロモーションのマネジメント課に配属される事になったのですが、一体どのような経緯なのでしょうか?」
「ああ、アレね〜、アレはうちの社長がアルバイトしてたCDショップにたまたま行った時にポップ書いている貴方の一生懸命さに一目惚れしちゃったんですって♡どんなテク使ったのよ?知りたいわ〜。」
すると、部屋の扉を乱暴に開けられる音がした。