第1章 新人ですが、がんばります!
ところで、現在私は事務所の社長に挨拶をしに行くところです。
私がよそ見をしていた所為か誰かとぶつかった。
「キャッ!!」
「こんにちは?お客さんかな?誰に用事があるの?」
そう話しかけてきたのは、綺麗な顔をした爽やかな男の人だった。
「どうしたの?じーっと見つめてもしかして、僕の顔に何か付いてる?」
そう言って男の人は私に顔を近づけてくる。
「あ、あの・・・!顔近いです!!!」
「アレ?ゴメンねー。ちょっと君のことを困らせちゃったみたいだね。僕は掬原黎二。よろしく。君は?」
「私、今日からここでマネジメント課に勤めることになった森咲夢花と申します。宜しくお願い致します。」
「こちらこそよろしくね。夢花ちゃん。」
「あ、あの・・・、社長室まで行きたいのですが、どこに行ったらいいからわからなくなってしまって・・・。」
「じゃあ、僕が一緒に案内してあげるよ。丁度社長のところに行く予定だったからね。」
「あ、ありがとうございます!!黎二さん。」
「いいよ、別にこのくらいなんてことないよ。そんなに畏まらないでよ。じゃあ、こっちおいで。案内してあげる。」