第1章 新人ですが、がんばります!
「あの、綾人が面白い子っていうほどだからかなり可愛い子なんだろうな。竜ちゃんはどう思う?」
「俺もそう思うわ。それ、絶対黎二には言うなよ?間違ってもな。」
「えー、なんでよ。竜ちゃん?」
「黎二、アイツああ見えて結構女好きだし、共演者キラーとか呼ばれてるみたいだからさ。綾人が初めて好きになった女の子を黎二に取られたりしたらどうする?綾人ああ見えて結構純粋っていうか変なところで寸止めにするとこあるからトラウマになるんじゃねーかな。」
「うん。竜ちゃんがそこまで言うなら、俺は絶対言わない。」
「約束だぞ。風斗。」
すると、背後から嫌な予感がした。
「へー?2人して約束って気持ち悪いね。何やってんの?仕事ないの?」
その声の主は、郁人だった。相変わらず生意気なクソガキだった。
「どうしたの?郁人。こんなところで?まさか、クビになったの?」
「はあ?んなわけ無いでしょ?笑わせないでよ。クソ兄貴。ちょーうざ〜い。誰に向かって口聞いてんの?芸歴長いの僕なんだけどー。」
「ふーん。そうだっけ?正確には竜ちゃんのが長いよね〜。だって一番年上だし。」
「あ、そうだったね。クソ兄貴。ジジイだもんねwww」
「郁人。お前のご飯抜きな。残飯でも食ってろ。クソガキ。」
「えええええええええ!!竜ちゃんの鬼!!」
「今のは100%お前が悪いぞ〜。郁人。謝りなさい。」
「竜ちゃんゴメンなさい。」
「わかったならよし。もしさっきの話聞いてたら、他言無用だからな。」
「はーい!!竜ちゃん好きー!!」