第3章 緋守高校とゲヴァルト
「じゃあさ、ゲヴァルトマスターでいるための掟、覚えてる?」
「あぁ。」
なにやら話し合いを始めた。
「その中にあるでしょ、故意にゲヴァルトとゲヴァルトマスターの存在を教えてはならないって。」
「わざわざ教室に言ったりしたら何もしなくても怪しまれるからってことか」
「そういうこと。生徒会の人達がゲヴァルトマスターって可能性とか先生のうち一人でもゲヴァルトマスターがいたらこういうことができてもおかしくないでしょ?」
「なるほどな。」
「2つ目、なんであそこまでして放送を流したか。」
「ここまでの話からすると…放送を流すことで時間短縮とかゲヴァルトを知られるリスクを減らす…とかか?」
「分かってるじゃん!ゲヴァルトマスターが沢山いれば伝えに行く回数も増える、そうしたらゲヴァルトを
知られかねない。だから放送を使用した。でいい?千冬。」
莉子の説明に千冬は思わず拍手をした。
「流石莉子さんです。僕の考えていることとまんま一緒です。」
「生徒会は考えることが違うな。」
千春は生徒会に感心した。
その直後千秋は立ち上がって飛び降り防止用の手すり棒の方に移動し始めた。
「まぁあたし的にはもうちょっと気になったところ、あったけどね」
「そーなのか?」
千春が莉子の一言が気になり問いかけた。
「一番最初に言ったでしょ?生徒会の人達か先生がゲヴァルトマスターなら放送できるって。でも実際メールなどに送っちゃえば危険性も何もないでしょ。でもそれでも放送を使った。つまり自分達はそれほどの権力を持っているってことを伝えたかったんだと思うんだよね」
「…つまり?」
「手強いやつ」
最後の莉子の言葉で一瞬でその場が凍った。だが千秋の一言でまた元に戻る。
「変な意味でなけりゃ何をしようと別に生徒会の勝手じゃね?」
「変な…意味?」
千秋は手すりに手を乗せ、生徒会室を見下ろしながらつぶやいた。
「危ないことじゃ…なければ…な。」
「ま、あたしはその危ないことも含めて手強いやつって言いたいんだけどね」