第3章 緋守高校とゲヴァルト
「ふぁ〜…」
昼休み。莉子と紺野家の4人は学校の屋上にいる。莉子は弁当を食べ終え大きなあくびをした。
「眠そうだね莉子ちゃん」
眠そうな莉子に千春が声をかけた。
「二度寝したのにか?」
「二度寝しても眠いものは眠いんだよ…」
莉子は千秋の問いに返し、寝ようとする。
「授業開始10分前に起こしてあげ…ん?」
「なんだ?…」
千春、千夏と違和感に気づき、他の3人も気づいた。その違和感とは流れていた放送だ。
“続いての曲で…ブチッ…ザー…こんにちは、ゲヴァルトホルダーの皆さん。こちらは緋守(ひかもり)高校生徒会本部です。今年も新入生、転入生にゲヴァルトホルダーがいると思います、いやいます。そこでゲヴァルトホルダーと生徒会交えて会議をしたいと思います。今日の4時にゲヴァルトホルダーの皆さんは生徒会室の隣、第一会議室に来て下さい。4時までに来なかった場合は…悪の精霊にとりつかれるでしょう…ブチッ…♪〜♪〜♪”
放送部の放送の途中で生徒会の放送が入った。それに5人は違和感を持った。
「今の声って生徒会長…だっけ?」
「あぁ。3年の奴だよな」
千春と千夏のやりとりの横で千冬が別の疑問について考えてた。
「どうしたの千冬?」
「…何故ゲヴァルトホルダーのことをこのような場で話したのでしょうか?」
「さぁな。メリットがあるからじゃないのか?」
「それぐらいわかります。もっと頭を使ってください。千秋兄さん。」
「…悪かったな」
「千冬の言いたい事、あたしにはわかるよ」
千冬の疑問を千秋は分からなかったが、莉子には理解できた。
「千冬の言いたい事ってなぁ…ゲヴァルトホルダーと話し合いをしたいから脅し呼び寄せた、それ以上も以下もいらないだろ。」
「単純に考えたらの話でしょ?ゲヴァルトホルダーの掟とか考えれば分かるはずだよ。」
千秋の鈍感さに莉子は必死にフォローする。