第4章 緋守高校生徒会
そう言った莉子の手を両手で掴んだ朱。
「よろしく莉子!…ってチームメイト?」
「そっ!」
「同じクラスで最初に仲良くなったやつがゲヴァルトホルダーなんてそういねぇだろ」
千秋が背中を押すように一言つぶやいた。
「もちろん秀もね!」
「え!?俺も??」
「俺達、立派な友達だろ?」
「千秋ぃ…」
秀の言葉の後に微笑んだ紅葉は気を取り直して言った。
「じゃあ今のところいるチームメイトの確認ね。千春、千夏、千冬、朱、秀…」
莉子は少し間をおいた。
「そして…千秋とあたし」
みんな頷き、納得の表情を見せた。
そこで秀が一言口にした。
「そういえば、チーム名は?」
「どうするの莉子ちゃん?」
「どうしよっか…」
莉子はみんなを見てふと言った。
「シュパース…とか?」
「…なんだそれ?お菓子みたいな名前だな」
「秀ちょっと黙ってろ」
「どういう意味なの?」
顔を上げた莉子は疑問に思った朱を見た。
「シュパースはどういう意味か知ってる?」
「楽しむ…でしたよね?ドイツ語で」
「よく知ってんな千冬」
千冬の答えに驚いた千秋。千冬の言葉に頷いた莉子は語り始めた。
「シュパース、楽しむってのは凄い大事なことだと思うんだよね。ゲヴァルトを修得したら高学歴、有名企業に就職することばかり考える人が世の中沢山いるけど、あたしは今このメンバーで楽しむことだけを考えて過ごして行きたいからさ…ちょっと重いかな…?」
少しの間皆考えるように沈黙に包まれた。
「いいんじゃね。ていうかよくドイツ語なんて知ってるよな」
千秋が賛成し、他のメンバーも次々と賛成の意志を見せた。
「じゃあ、とりあえずこの1年はシュパースとしてみんなよろしくね!」
莉子の言葉に皆ニコッとほほえみで返した。
「よしっ…スタートはこのメンバーでやって行こう!増えたら増えたで!」
そしてチーム生誕の日は幕を閉じた。