第4章 緋守高校生徒会
「確かに生徒会や学校全体に関わることは大切だ。だが我らゲヴァルトホルダーにはもっと大切なことがある」
2秒ほど静かになった後に成崎が言った。
「ゲヴァルトチームについてだ」
ざわざわしだした会議室を止めに入ったのは葵乃だ。
「私が今からゲヴァルトチームについて説明します。ゲヴァルトチームとはゲヴァルトマスター同士でチームを組み、1年間ゲヴァルト関係の行事や仕事を行うゲヴァルト機関が管理するチームのことです。2、3年生は知っていると思うので今年も実行をお願いします」
次に話し始めたのは想華だ。
「ゲヴァルトチームは1年ごとに更新する形だ。メンバーは学年やクラスは問わない。この学校内の生徒であれば構わない。1チーム2〜10人で、活動期間内に所属していない人をチームに勧誘したりするのは構わないが、活動期間内にチームからチームに移籍するのは禁止だ。よく考えてチームをくんでくれ。チームに所属しないのは構わないが、色々不利になったりとハードだ」
「チームは今月、4月一杯までに結成し、申請書を生徒会に提出するように。4月一杯なら申請書を提出してもあとからメンバー変更可能だ。では解散する」
成崎の号令で会議は終わり、会議室には椅子の音が響いている。
「千秋ー!莉子ちゃーん!」
聞き慣れた声が莉子と千秋を読んだ。
「千春!」
声の主である千春と共にいた千夏、千冬に向かって手を降った。
「遅かったじゃねぇか千秋」
「しゃあねぇだろ?教室掃除だったんだから…」
「心配しましたよ莉子さん」
「ありがとう千冬」
「ちょっと話があったけど…」
莉子達の会話を遮るように成崎が声をかけた。
「また今度にさせてもらうよ」
ゲスのかかった声で言った成崎は扉に向かって行く途中で莉子に耳打ちのようにつぶやいた。
「君の活躍ぶり、楽しみにしておくよ…」
そういい立ち去る成崎を莉子は睨むように見送った。