第4章 し〜んちゃんの〜最近は〜?
ピンポーン
集合時間丁度に、インターホンはなった。
いや、心理的に"なってしまった"という方がしっくりくる。
…なってしまったものは仕方がない。
重い腰を持ち上げて、玄関へ向かう。一度深呼吸をしてから階段を降り、また深呼吸してから玄関の前に立つ。
そして、1番大きく深呼吸をして玄関のドアノブを回す。
こんなに簡単な動作なのに、すごく難しく感じた。
ガチャッ
「やっほー、鶴子ちゃん、お邪魔しま〜す。」
そこには、予想通り、高尾君が笑顔で立っていた。
あれ?待てよ、まさか
まさか
まさか
「あ、あの…高尾君、緑間君って…」
おそるおそると、靴を脱いでいる高尾君に尋ねる。
「あぁ、なんか真ちゃん風邪だってメール着てさぁ。珍しいよな」
そんなばかな
ということは、香織もいなくて緑間君もいない
高尾君と2人きり?
わたしの部屋に?
高尾君と?
2人きり!?
「あふぅ…」
「え、ちょっ鶴子ちゃん!?」
激しいめまいに襲われて、その場に倒れこんだわたしを高尾君は焦った顔で覗き込んで「どうしたの!?」と聞く。
「今日香織もいません」
と、伝えると「……あー……」と、渋い顔をした。