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俺と彼女のカンケイ

第1章 一話



兄貴はどちらかというと、大人で経験ありそうな女性を好むみたいで、連れてくる女もだいたい年上だ。この前は人妻も連れ込んできた。

「…お前も顔いいし、背も高いからモテるだろ?だから直ぐに出来ると思うけど。」

彼女だけって物足りないだろ?といってくる兄に、

「…関係ないだろ。」

と返した。

「…ま、お前素っ気ないからなー。そこが問題だな。」

兄貴は立ち上がって空になったペットボトルを捨てる。
俺に目を向けると、

「…じゃ、俺今からデートで帰んないから戸締まりよろしくな。」

「………。」

そう言ってリビングをでる兄貴。
先程したばかりなのに、またか。でももうこれも慣れた。因みに兄が何人もの女性と関係を持っていることを親は知らない。俺も知ってはいるが否定はしない。
価値観は人それぞれ。どうしようと本人の自由だ。…きっと親が知ったら怒ると思うが。

それから暫くしてジャージに着替えて、そろそろ夕食にしようと冷蔵庫開けると何もなかった。
仕方なく、コンビニに行くことにした。

その途中、昨日の一ノ瀬とのことを考えてしまった。
このことを美樹に伝えるべきだろうか。一回でもしてしまえばそれは浮気。
浮気をしたのにこの軽い感じはなんなのだろう。しかも相手は恋人の友人なのに。

おにぎりコーナーで何も手に取らず、そんなことを考えていると。

「……あら?高木くん…?」

苗字を呼ばれて咄嗟に振り向く。
あまり、利用したことがないから、滅多に会わないが、保健の先生がいた。
名前は篠田麗香(シノダレイカ)さん。美人でスタイル良く、旦那がいるのを感じさせないこの人は男子生徒の憧れみたいな存在だ。俺の周りの男達も、先生とつき合ってみたいとか、下品だが、ヤッてみたいなどとよく言っている。
実際、今でさえ先生を見ている男がちらほらいる。

「……俺の名前、知ってたんですね。」

まともに会話などしたことない。名前など知らないと思った。

「…知ってるわ。だってモテるみたいで有名だもの。それに成績優秀って先生達が言ってるから覚えてるの。」

そう言って笑みを浮かべる篠田先生。

おそらく染めているであろう茶色の髪を耳にかける仕草をする。それが妙に大人っぽいというか色っぽい。

「…家、ここから近いの?」

「…はい。」

「…そう、ワタシも。」

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