第7章 七話
「てかお前、一ノ瀬はどーしたんだよ?」
すると山中は大袈裟にため息ついて見せる。
「…終わったんだよ。」
「おい、回してやるって言ったじゃねぇかよ。」
山中のその一言に不満そうな顔つきになる奴等。…まあそうだろうな。
「…まさか関係をやめようなんて言われると思わなかったぜ…。」
「…はぁ、マジかよ。他の女でもいいから回せって。」
「…分かったって。ほんと飢えてるよなー、お前ら。」
「…お前や遥人と違ってモテねーからしょうがねぇだろ。」
…あれから一ノ瀬は俺としか関係をもっていないらしい。他の男といる所なんて見かけてないしな。山中とはなんで終わりにしたんだろう。
………。
「…あーでも、俺の彼女とヤるか?」
急に思いついたかのようにニヤニヤと笑みを零す山中。
「…いいのかよ。」
「…正直、面倒くさくなってきたんだよなー。外見はまあ完璧だから問題ねぇだろ。調教して淫乱な身体になったからよぉ。あ、皆でヤるか。」
「それいいじゃん、やろーぜ。」
「…遥人はどーするよ?」
「…行かない。」
……ほんとこういう話ばっかりだ。ため息しかでない。
でも本当に呆れるのは俺自身だ。
現に、放課後また保健室にきていた。
今回は先生に呼ばれたからなのだが。でも行かなくていいのに。
戸を開けると、先生は勿論いたのだが、美樹がいた。
「…遥人くん、どうしたの?」
「…どうかしたのか?」
「…ちょっと指を切っただけ。絆創膏がなかったから保健室にきたの。」
「…高木くん、いらっしゃい。」
ふふっととぼけたように笑う先生。
「…遥人くんも怪我?」
「…高木くんは私が呼んだの。話があってね。」
……話って。
だが美樹は疑うこともなく…。
「…へぇ。そうなんだ。じゃあ部活行ってくるね。失礼しましたー。」
そう言って出ていく美樹。
「…疑わないのね、彼女。」
クスクスと笑って面白そうだ。
「…信じてるのね、アナタのこと。」
「…山中とはしないんですか?」
「…あら、山中くんから聞いたの?」
そう。と言ってハァっとため息つく先生。