第6章 六話
そう、2人はセックスをしていた。
少し驚きはしたものの、しっくりとした。
篠田先生は既婚していながらも、別の人と関係を持つことに抵抗がないし、校長先生も女好きという噂を聞いたことがある。その噂は本当だったらしい。
2人共全裸で、壁に手をついた篠田先生を立ちバックで攻めている。
肌がぶつかり合う音もばっちりと聞こえるし、喘ぎ声も抑えてない。バレたら危険だというのに。
「…本当に淫乱ですねぇ。貴女は。ほら、もっと激しく突きますよ。」
「あっあああんっ…!凄いぃ…っ!もっと淫乱にしてぇ…っ!ああっああああ…っ。ああんっ!」
発情しきったメス…がしっくりとくる。
…勤務中に何をしているのか。
先生の豊満な胸をゴツゴツとした大きい手で鷲掴んで感触を楽しんでいる。
俺は呆れてその場から立ち去った。
この前、人の夫に手をだして落ち込むほど傷ついたくせに、懲りない人だ。…反省とか改まろうとか、思わないのだろうか。
校長先生も既婚者だ。
2人共に呆れる。
まあ此方に危害はないからどうでもいいのだが。
さっさと用事を済ませて教室へ戻った。
関わりたくない。
しかしそう思った矢先、その日の放課後、篠田先生と出くわした。というよりも、先生が待ち伏せしていた。
………。
そのまま帰ろうとしたが案の定、止められる。
「…何なんですか?」
少し微笑むと先生は俺の腕を引っ張って保健室へ向かった。
「…何なんですか、じゃないわ。メールも電話も寄越さないんだもの。」
少し不服そう。
「…捨てましたよ。」
「…何で捨てるの?…ホントに冷たいのね。」
「…必要ないからです。」
「どうして?」
どうしてって…。ほんとに呆れる。
「…迷惑です。」
すると何故か先生はにっこりと微笑む。
「…あの夜はアナタも夢中になってたのに、何故そんなに冷たいのかしら?」
……………。
「……また、俺としたいんですか?」
「………。」
「…しませんよ。あれはあの日限りですから。」
すると先生が抱きついてきた。ワザとらしく胸を押し付けてくる。
「…バレたくないから?でもね、一回してしまったらもう終わりよ…。一回の時点で見られてる可能性だってあるんだから。」
「……校長先生…とすればいいんじゃないんですか?」
すると先生は背中に回した腕を解いて、俺を見つめてきた。