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俺と彼女のカンケイ

第1章 一話



恋人の友人とする気などなかった。
話があると呼び出されて、彼氏のことで相談されたのだ。

つまらない。セックスが下手だと。

そんなに親しくもない俺に。
今思えばきっと俺としたかっただけだろう。

そんな彼女は翌日学校に行くといつも通り俺の彼女と談笑していた。
俺に気づくと手を振ってくる。その動作で美樹は気づいて振り返る。

「遙人くん、おはよー!」

美樹より先に挨拶してくる。

「…昨日はありがと。」

………。
その発言に美樹は、え?という表情をする。

「…昨日、あたしの彼氏のことで相談してたんだー。やっぱ男子の意見も必要じゃん?」

「…そうなんだ。解決したの?」

「…ん。まーね。スッキリして気持ち良くなった。」

悪びれもせず、堂々としている。

「…そ。良かったね。恵理(エリ)ちゃん。」

「…うん♪」

何も知らない俺の彼女。彼女の顔を見てもやはり、後悔や罪悪感は浮かんでこなかった。

「…じゃ、あたしそろそろクラス戻るわ。」

「…うん。」

ヒラヒラと手を振って教室をでる恵理。
すれ違う際に、

「…また相談乗ってね。」

と言われた。

相談。そうではなく身体を重ねることだろうということは簡単に理解できた。

「…遙人くん。おはよう。」

「…おはよう。」

付き合って3カ月。もうキスもしたしその先もした。なのにまだ初々しさがある美樹。
微かに頬を染めて少し俯いている仕草を周りの男共は鼻を伸ばして見てる。
そう、美樹はモテる。だから付き合ってる俺は男からみたら羨ましいらしい。…よく言われる。だが、女子からしてみれば良い気がしないのだろう。チヤホヤされるのが。友人の恵理でさえそう思っているのだから。

嫌いなのに何故一緒にいるのか。
やはり理解できない。

ふと我に返って彼女を見ると、恥ずかしげにもじもじとしていた。

「…どうかしたか?」

「…えっと……放課後、新しくできたカフェ行かない?」

そう言った彼女の頬は先程よりも赤い。

「…いいよ。」

返事したところでチャイムが鳴り、俺は席に座った。

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