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俺と彼女のカンケイ

第4章 四話




…本当に面倒くさい。なぜ山中は俺にそんなに絡んでくるのだろう。

校門をでると、知らない制服を着た男がいた。でてくる生徒をキョロキョロと見ているが、俺に気づくとじっと見つめてきた。…いや…というよりは睨んできたに近い。その表情は明らか怒りが込められてるのが分かる。

俺も思わず足を止めて見てしまう。

男は俺に近づいてきて、

「…ちょっと来いよ。」

そう言っただけで、背を向けて歩きだす。
…俺はこの男の後についていった。

……誰だ?
こんな男は知らない。…向こうは俺に怒っているんだ、と思うが。
…なんなんだ……。
よく分からないままついていく。

…人がいない裏路地に入って男は足を止めた。そして男が振り向いた途端、俺の目には拳が移って、次には頬に痛みが走った。
衝撃でバランスを崩す。
…殴られた。

口元を手で拭うと血が付く。

男は俺の胸ぐらを掴んでくる。男の目は憎悪や悲しみ…といった感情が入り混じって見えた。

「…お前だろ…っ!なに俺の女手ぇだしてんだよっ!!」

その言葉で全てを察した。

俺が彼女以外に関係を持っているのは一人しかいない。

「…一ノ瀬恵理って知ってんだろ…?」

…この男は一ノ瀬の彼氏……。

バレたのだ。一ノ瀬もバレたのが分かったのだろうか。
まあ一ノ瀬の家でもヤッたこともあるし、キスマークなんて付けたら確かにバレる確率はある。
俺を知ってるということは2人でいるのを見かけたのだろう。

「…なに黙ってんだよ!!なんとか言えよ!」

また二発殴られる。

「…っ!……お前のことで相談された。」

「…はぁ!?」

「…淡白でつまらないって。」

「……んだよそれ…。だからって恵理に手をだしたのか…っ!?」

「…そうだ。誘われた…。」

嘘をつく気はない。別にこうなったらこうなったで仕方ない。

「…お前、よくそんなしれっとしてられんな。自分がしたこと分かってんのか!?」

「………。」

分かってる。でも罪悪感もなにもない。

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