第4章 四話
「…お前と一ノ瀬のことは秘密にしておいてやるよ。」
放課後、誰もいない教室でそう言われた。
山中はニヤニヤ顔で嬉しそうな楽しそうな…。
「…美樹ちゃんにもバレたくねーだろ?」
「……別に。」
秘密にしてやる。なんて、口軽い山中だ。信用なんてできない。それに別にバラそうが好きにすればいい。
「…まっ、お前がこっち側の奴で嬉しいけどな。」
ケラケラと山中は笑う。なにがそんなに楽しいのか…。呆れてしまう。
「…一ノ瀬ってけっこー良い身体だろ?もう飽きてきたけど。」
「……帰る。」
くだらない。教室を出ようとするが山中に制された。
「…まあ、待てって。俺これから一ノ瀬とヤるんだけどよ…。」
…だからなんだ。俺には関係ない。勝手にしたらいい。
山中は俺を覗き込んで、
「…お前も混ざらねぇ?」
相も変わらずニヤニヤ顔。
「……は?」
「…お前さー、3Pしたことある?…いやもうそろそろ一ノ瀬とも潮時だと思うんだよ。今日で最後にしようと思ってんだけどさ、お前も混ざって3Pしよーぜ。」
そしたらあいつらに一ノ瀬渡すっから。
………。
「…興味ない。」
そっけなく放った俺に山中は詰め寄る。
「…気持ちいいぞ、複数ですんのも。…さてはお前も飽きたのかー?」
「………。」
「…てかマジでやろーぜ?」
なあ?って言ってくるが。
「…他の奴誘えよ。帰る。」
教室を出た。後ろから
そっけねーな。という声が聞こえたが、無視した。