第3章 三話
このまま流れでするのか、
それとも抵抗するべきか、
………。
「…抵抗しないのね?」
動かない俺を見てそう零す先生。
「…楽しそうですね。」
「んー、まぁそうね。教師と生徒…というのも良いものだわ…。」
………。
「…高木くん。アナタがなに考えてるかよく分からない。」
「……?」
「…ワタシってそんなに魅力ない?」
少し残念そうな顔をする。
そう聞いてくるということは自分に自信があるのだろうか。
……魅力的、だとは思う。
外見は完璧だと思うし、こういう経験もあるからテクニックも豊富だろう。
やはり、学生である美樹や一ノ瀬と違って大人らしい色気も漂わせてる。
「…アナタ、ワタシとしても、しなくても、どっちでもいいってこと?」
ますます分からないような表情をされた。
「…ふぅん。なんだか……つまらないわね。」
なにがだろう。
「…何も感じない?…教師と保健室というシチュエーション。恋人がいるのに…とか。」
葛藤とかないわけ?
そういうのがあるから興奮して楽しいのに。
………。
「…はぁ。残念ね。…うーん、もういいわ。」
そう言うと先生は俺から離れた。
…帰れということだろうか。俺も出された自身を戻して立ち上がる。
「…アナタとセックスしたいけど、なんか燃えなさそう。こういうことは初めてだわ…。それに上手なのかもよく分からないし…。」
「………それじゃあ失礼します。」
自分と一ノ瀬の鞄を持って保健室からでた。
…先生がああいう人とは思わなかった。知ったところでどうってことでもないが。
俺が何も反応しないから呆れたのだろう。
まあ、それはどうでもいい。
それよりも、一ノ瀬だ。もう帰ったかもしれない。
玄関へ行くと案の定、一ノ瀬と山中はいなかった。
どうしようかと思っていると、山中が現れた。俺に気づくと楽しそうな表情を浮かべ近寄ってくる。
……面倒くさい。
「…よぉ。まだいたのかよ。」
そして肩くんでくる。
「…お前さー、マジで一ノ瀬とヤッたの?」
「………。」
無言を肯定と判断したのか、ニヤニヤとする山中。
「…マジなのか?(笑)…ってことは俺たちの仲間だなー。」
…何なんだ。