第3章 三話
「…あいつけっこー良い身体だろ?」
肩にくまれている山中の手を払いのけた。
「…そんなことより一ノ瀬は?」
「…は?」
「一緒にいただろ。」
その言葉に山中は声にだして笑いだした。
「…見てたのかよ。」
お前、なかなかだなーっと言ってまた肩をくんでくる。
「…あいつならすぐそこの使ってない教室にいると思うぜ。…なんだよ、お前もヤリたいのかー?」
ニヤニヤ顔を止めない山中の手をまた払って一ノ瀬のいる場所へ向かう。
戸を開けると、一ノ瀬が身なりを整えてるところだった。俺に気づくと不機嫌そうな顔つきになる。
「……鞄。」
一ノ瀬は鞄を手に取る。
「…見てたの?趣味ワルいわね。」
「…山中とはやめたほうがいい。」
周囲に広まる。それに俺ともするべきじゃないのだ。美樹や彼氏にバレたくないのなら。
一ノ瀬はくすりと笑い、馬鹿にしたような目で見てきた。
「…遥人に関係ないでしょ。なに?ビビってんの?」
そう言うと俺を通り抜けていく。
………。