第2章 二話
…結局、あの後もう一回してしまい、時計を見るともう18時を過ぎていた。
もう美樹が部活終わっているかもしれない。
先に化学室をでて、一階に降りると、下駄箱があるところに保健の先生がいた。
………。
何をしているのだろう。…というより何もせず、ただ立ったままだ。
此方に気づくと目を少し細めて微笑む。
「…部活終わり?」
「…違います。」
「…部活入ってないの?」
……そんな面倒なことはしたくない。
「……こんな時間まで何してたの?」
「…どうでもいいでしょう。」
「…あら冷たい。」
少し大袈裟に反応する篠田先生。
でもあまり気にしてないのかまた笑みを零す。
先生こそ、こんなところで何しているのか。
誰かを待っているとか……。
「……あ、この前はありがとうございました。」
「…この前?あぁ、気にしないで。」
それじゃあこれで。と帰ろうとしたとき、
「…遙人くん?」
美樹の声がした。少し驚いた表情をしている。何で?みたいな顔。
「…アナタの部活が終わるのを待っていたのよ。そうよね?高木くん。」
ふふっと笑う先生を見つめる。
「……そうなの?先に帰るって言ってたのに…、ありがとう。」
少し頬を赤くして嬉しそうに微笑む美樹。
「…カップルを邪魔しちゃ悪いわね。さよなら。」
最後に俺を見てフッと笑うと先生はその場から立ち去った。
……何なんだ。意味がわからない…。
「…帰ろう?遙人くん。」
「………あぁ。」
美樹と並んで歩く。
「…篠田先生ってやっぱり綺麗だよね。足は長いし、色気あるし。いいなぁ。」
「……そうだな。」
スタイル良いから女子から見ても憧れな人らしい…。
「……遙人くんも、ああいう色気ある人…好き?」
俺へ顔を向けて少し不安そうな声色でそう聞いてきた。
美樹は色気とかはあまりない。というより外見が幼い。
「……別に…。」
「…私子供っぽいし、胸もそんなに大きくないし……。」
なんてブツブツ言ってる。
少し落ち込んだようだ…。