第2章 二話
美樹の家まで送る。
「……送ってくれてありがとう。また明日ね。」
「…あぁ。」
もう日は落ちて薄暗い景色。踵を返して帰ろうとしたが、裾を引っ張られて立ち止まった。振り返ると、美樹がそわそわとしていた。顔が赤い。
「……なんだ?」
「………えー、っと…。」
………。
恥ずかしそうに俯く。
「………。」
「……あ、の……キ…ス……して、ください…。」
震えてかなり消えそうなほど小さな声だったが耳には届いた。
この時間帯は人通りは少ない。元に俺達以外いない。
俯いている美樹の顎にそっと手を寄せ、上を向かせた。羞恥心に顔は真っ赤に染め、瞳は少し潤んでる。そんな美樹にゆっくりと顔を近づけ、触れるだけのキスをした。
チュッと音を立てて唇を離す。目を開けると、間近で潤んでる瞳と目が合う。
そしてまた、今度はどちらからともなく唇を重ねた。
二回目も触れるだけのキスだったが、少し長めだった。
キスが終わると、多分恥ずかしさから来ていると思う……俺に抱きついてきた。
「………。」
「……もう少し…遙人くんと、一緒に……いたい…。」
………。
黒いシーツを張ったベットに腰掛ける。
見慣れない部屋。灯りは少し薄暗い。
隣に同じく座る美樹はガチガチに固まっていた。気を紛らわす為にテレビをつけたが、アダルトな映像が映って思わず消してしまった。
「………。」
「………。」
「……出るか?」
その問いにぶんぶんと顔を振る美樹。
「……したくないなら出たほうがいい。」
「…したい……です…。」
もうヤダと言って恥ずかしさにシーツに顔をうずめた。
俯けになってる美樹を仰向けにさせ、ゆっくりと俺は覆い被さる。
そして、先程とは違い舌を入れて、時折歯列をなぞる。最初は控えめに舌を動かしていた美樹も、次第に大胆な動きになってくる。
解放すると、目がトロンとしていてボーッとしているように見えた。